地震への耐久性を示す「耐震性能」。地震の多い日本ではデザイン以上に重視して考えたい部分です。耐震性能は、家の間取りからでもある程度想定できます。
ここでは間取りから見た耐震性能の高い家、低い家について解説していきます。
耐震性能を間取りから確認する際にチェックしておきたいポイント
耐震性能を間取りから読み取るために、以下の6つのポイントをおさえておきましょう。
1.部屋数、部屋の広さと耐震性
部屋が複数あることによりそれぞれが地震の揺れを補い合うため、耐震性能はアップします。このため部屋数の多い家のほうが耐震性能は高いです。
ただし部屋同士の間に壁や柱があることが前提。ふすまのみで区切られている間取りではあまり耐震性能は期待できません。
部屋の広さについては、広い部屋があるほど壁や柱が少なくなり空洞ができるため耐震性能は落ちやすいです。特に12畳以上の広い部屋があり、かつその中に柱や壁が無く開放的に造られている間取りの場合、耐震性能は低くなりやすいです。
2.窓と耐震性
窓は壁よりも強度が弱いため、基本的には壁よりも耐震性能が劣ります。つまり窓の少ない家は耐震性能が高く、多い家は耐震性能が低いということになります。
特に、家の角部分は耐震を考える上で重要な場所。遮光性やデザインを重視し角部分を窓で張り合わせている間取りの場合は、耐震性が特に低くなりやすいです。
3.家の形と耐震性
家全体の形としては、正方形や長方形となっている間取りが耐震性能としては高いです。一方で凸型・L型・コの字型など、特殊な形や複雑な形となっている間取りの場合は、耐震性能は低くなりやすいです。
デザインを重視するあまり、形が特殊でかつ壁や柱を減らしている家は特に注意する必要があります。
4.吹き抜けと耐震性能
近年は玄関回りだけでなく、リビング内部なども1階、2階を吹き抜けとして設計されている家が増えてきています。吹き抜けについては1階、2階を跨いでの空洞ができるため基本的に耐震性能が低くなります。
特に周囲に支える柱や壁が一切なく広い吹き抜けが造られている間取りの場合は、耐震性能面で注意が必要です。
5.1階ガレージの耐震性能
1階部分がガレージ(ビルトインガレージ)や物置となっている間取りの家の場合、こちらも耐震性能としては弱くなりがちです。
1階ガレージの家を選ぶ場合は、補強材や補強方法がしっかりと施されているかを確認する事が大切です。
6.リフォーム住宅の耐震性能
一部のリフォーム住宅では、デザインや快適性を重視するため、本来あった柱や壁を撤廃しているケースがあります。こういった場合ですと、住宅本来の耐震性能が得られず、大型の地震では倒壊してしまう恐れもありますので、リフォーム住宅の間取りは入念にチェックする事をおすすめします。
住宅と設備、どちらも地震対策を
以上が間取りから見た耐震性能となります。
建築方法、素材、補強方法などでも耐震性能は変わってきますので一概には言えない部分もありますが、今回紹介したように間取りからもある程度耐震性能を計ることができます。
しかし、住宅の耐震性能だけで満足するのは少し尚早かもしれません。
家具や機材などの設備にも地震対策を施しておきましょう。家具の転倒など、リスクはできるだけ減少させるよう心がけることが大切です。
最近のコメント